ブログだと140字以上打てる

大学院生が数学の話とかしている.

院試に勝った

こんにちは! 無事志望校に合格したしぐまです.

今日は合格体験記を書きました. 以下,簡単のため常体になります.

3月

ここら辺から同級生数人と院試の過去問を解く会を始めた. はじめの数回は全然解けなくて「もしかしてヤバい...?」ということに気付けた.

ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』を始めた. かなり面白かったので滅茶苦茶やっていた(今もやってる).

4月~6月

B4になり,研究室のゼミが始まった. ゼミ自体には慣れていたので準備に大きな問題はなかったが,生活習慣の崩壊が原因で発表者が寝坊するという大失態をやらかした.

B3のときは生活習慣の崩壊が大きすぎて単位を落としたが,流石にそれよりは改善したので単位は取得できた.

院試対策会は人数が増えた. 特に解析系の人が増えたのが自分にとって大きかった.

ウマ娘は続けていて,タウラス杯とジェミニ杯はグレードリーグAグループ決勝までは進んだが敗北した. ただし,イベント称号取得・配布SSR完凸ができる程度にはしっかりやっていた.

7月

生活を直そうと思ったが全然治らなくてヤバいと思い,睡眠の質を高めるためにアイマスクを買った. これが疑問手で,睡眠の質は改善したが,朝でも昼でも眠れるようになってしまったので生活習慣が理想から6時間くらいズレた不味い位置で安定し始めた.

院試対策会は20年分くらい解いたおかげで流石に解けるようになってきた. 何より,何人もの解説を聞いたことで得られた知識によって午前の基礎問題が安定して倒せるようになったのが大きかった.

ウマ娘はいい加減チャンミで勝ちたかったので,チーム単位で戦術を組んでキャンサー杯に挑んだ. その結果,無事にグレードリーグAグループ決勝で勝利して『キャンサー杯プラチナ』の称号を得ることができた.

8月

相変わらず生活習慣は治らなかったが,夏休みに突入したので睡眠時間は確保できるようになった. ウマ娘もイベント称号取得・配布SSR完凸が滑り込みセーフになるくらい抑えて,レオ杯用の育成もしないくらい真面目に院試対策をしていた.

院試対策会は週1から週2にペースを増やして直前の復習を行った. ここでやったのは3月あたりに解いた年の過去問だったため,自分の成長を実感できた.

筆記本番

前日に準備は済ませて(いつもよりは)早めに就寝し,きちんと朝に目覚めることができた. 外は雨が降って寒かったので,祖父から貰って気に入っているアロハシャツを着ることは諦めて,代わりに東工大生の制服であるチェックシャツを着ていくことにした. 母が『朝に時間がなくても食べられる好物』という事で様々な種類のレトルトカレーを用意してくれたため,チキンカレーを食べて最高の気分で大学に向かうことができた.

しかし,電車に乗ってしばらくするとマスクを着けず,片手に酒を持ったおっさんが同じ車両に乗っていることに気付いた. 幸い,自分の近くではなかったが,見える位置にいる人が大声で話しかけられていて可哀想だった. そのおっさんは途中で降りたものの,精神に余裕がないタイミングだったので,なかなか厳しい出来事だった*1

現地に着く前にシャーペンを筆箱に入れ忘れたことに気付いた(普段使ってないので入ってない). ただし,「何かやらかしてもこれなら大丈夫だろ!」と思えるくらいのお金を財布に入れておいたので,無事コンビニで鉛筆を購入することができた.

試験会場には少し早めに着いたが,落ち着かなかったので教室を出たり入ったりしていた. こんな状態だったのでちゃんと時間が見れる腕時計*2を持ってきたことは大きかった.

午前の試験は基礎的な数学(5問 150分)のみ. 苦手な線形代数が簡単で,逆に得意な解析が難しめだったので助かった. 位相空間の問題でヘンテコな位相が出たせいで完答はできなかったが,ほとんどの問題に自信を持って解答を書くことができた. ただし,解析の問題で「解ける(確信)」とか思って下書きをサボった結果,解答欄が足りずに一度全部消す羽目になった.

お昼は近所にある『四川屋台』でボリュームたっぷりのお弁当を買って食べた. これを買うために代金の550円を小銭であらかじめ財布に入れておいたのでスムーズに買えた.

午後の試験はより専門的な数学(2問 選択 120分)からスタート. 複素解析が留数定理で殴れるパターンの問題だったため,とりあえず1問確保できた. 出てくる値がRiemannのゼータ関数の特殊値に関係するものだったので,検算ができて助かった*3. 追加で解いたもう1問は有限測度空間上の積分に関するもので,(1)から(3)までは過去問でもよく出ていた話の寄せ集めだった. (4)はそれらを使えば何とかなるので,こちらも多少時間は使ったが問題なく解くことができた.

その後は過去問が公開されていないため,対策のしようが無かった英語(2問 60分)が始まった. 正直一番不安だったが,1問目は数学の(しかも割と分かる級数に関する)文章だったこと,ちゃんと英和辞書*4を持ち込んでいたことから何とかなった. 2問目は数学者が書いた日常の文章で,「きつすぎ~」って心の中で叫んでいたら時間が来て終わった. 思っていたよりは解けたが,周囲の話を聞いてたらもっと解けているっぽいのでめっちゃ不安になった.

筆記と面接の間

筆記と面接の間には間に1日があったため,院試対策会のメンツで面接対策を兼ねて筆記の問題を解きなおした. 自分が解いたより上手い方法で解いている人がいたり,前述の複素解析のミスに気付けたりしたのでとても良かった.

また,解けなかった位相空間の問題を数学系の院試を受けていない友人が解いてくれたりしたので,時間に余裕ができて解いてなかった問題を考える時間すらできた(結局解けなかったけど).

面接本番

オンライン面接なので外に出る必要はないが,我が家は狭いので作業場に移る必要があった. 幸いにも晴れたので,筆記に着ていけなかったアロハシャツを着て面接を受けることにした*5

外に出る際は日差しが強かったため,日傘を使ったが,風も強かったので日傘が壊れてしまった. 結構縁起が悪い気がするが,そんなことで落ち込んでもしょうがないので気にしないことにした.

面接の内容は書いたら不味いらしいので詳細は伏せるが,明らかに人数から想定される時間よりも早く終わった上,解けなかった問題の解答を書く機会も無かった*6ので不安だった.

結局受かっていたため,筆記が(自分が感じた手ごたえと同じくらい)良く解けていたため,質問は軽くしてもよい,と判断されたのだと信じたい.

振り返り

結局大切だったのは『事前の準備』と『トラブルに動じない心』の2つだったように思う. また,それを実現できたのは友人や家族の支えがあったからである. 具体的には,

  • 院試対策会を開始・運営してくれた友人R
  • 数学系の院試を受けない*7にも拘わらず,対策会にちゃんと参加してくれた解析系の友人A
  • 院試を受けないが対策会に参加してくれた,人が解けない問題が解ける視点を持っている友人U
  • 院試対策会に参加してくれた他の友人・同級生達
  • 以前一緒に解析系のゼミをしていた友人T
  • 普段はみんなで分けていた家事*8を優先してやってくれた兄弟
  • 金銭面や健康面,そして精神面でサポートしてくれた両親

などの人々が助けてくれたお陰である.

最後に

本命の入試は実質初めてだった*9のでそれなりに緊張しましたが,昔から良くも悪くもテキトーな性格なので結構楽しめました.

大学院ではもっと数学頑張ります!!

*1:Twitter以外することがなかったので,真顔で「助けて~」とか呟いていた.

*2:大学の合格祝いで貰ったが,無くすのが怖くてずっと箱に入れたままだった. 太陽光で充電するタイプだったため,取り出した直後は動きがおかしくなっていて焦った.

*3:実は留数定理の  2\pi i を忘れていたが,答えには影響ない部分だったため検算から漏れた. また,そもそも問題文をキチンと読んでいなかったせいで小問に分かれていることに気付かなかったが,やるべきことは全部解答内でやっていたので首の皮が繋がった.

*4:自分のがどこにも見当たらなかったので弟のを借りた.

*5:流石に普通の面接では着ていかないが,「数学系は服装で落とすような非本質的な面接をしていない」という話を友人から聞いていたため,着ていく決心がついた.

*6:事前に解答を書いて見せられる環境を用意するように言われていた.

*7:滑り止めとして東大の数学科は受けたらしい.

*8:そもそもサボりがちだったので,これからは頑張ってやりたい.

*9:大学は推薦で入ったので,本命のために受けたのはセンター試験だけ.