どうも,カプリコーン杯で5ヶ月ぶりにプラチナが獲得できたしぐまです.
今回はチャンピオンズミーティング(以下CM)の攻略について自分が知っていることを纏めたいと思います.
グレードリーグしか想定していないため,オープン勢の方は別の情報も調べた方がよいと思います*1.
目次
自己紹介
まず,私自身は
- 無理のない範囲で課金・育成し,
- イベント称号やCMのプラチナ称号を狙う
という形でウマ娘をプレイしています.
また,過去にはプラチナ称号を3回獲得しています(キャンサー・レオ・カプリコーン).
そのため,勝つために必要な知識をある程度持っていると思います*2.
詳細についてはフレンドID 623347634 から見ていただければ分かると思います.
予備知識
レース中の仕様について
まず,レースにおけるウマ娘たちの走り方は概ね序盤・中盤・終盤で分かれており,
- 序盤:同じ脚質の中でポジション争いをする
- 中盤:他の脚質も交えてポジション争いをする
- 終盤:できるだけ速く走る
という形になっています.
序盤(正確には中盤の途中まで)はポジションキープというものが働いており,逃げ以外のウマ娘は,先頭に近づきすぎると自ら減速して位置を下げるようになっています(コラム1).
これが上記の「同じ脚質の中で」という言葉の意図であり,実際は差しと追込の位置は序盤から前後することが多いです.
一方,逃げのウマ娘は
- 先頭は後ろにウマ娘が近づいてきたときに確率で速度を上げる
- 先頭以外は確率で速度を上げ,先頭を取ろうとする
という動きをしています.
中盤の2/3以降(つまりレースの後半)では速度スキルが発動しない限りステータス以上の動きをしなくなるため,ステータスの拮抗するCMにおいては,後半以降のポジション争いでは速度スキルの力が必要となります.
ウマ娘たちはレース中に耐力(スタミナやコース距離から定まる量)を消費して走っており,上記の「できるだけ」は「ゴールする直前まで耐力が切れないように」ということを意味しています.
特に,ウマ娘が全力で走ってよいと判断してからの終盤をラストスパートと呼びます.
ラストスパート時は耐力を大きく消費するため,耐力が足りないと判断した場合はラストスパートの開始を遅らせたり,開始後も最高速度に到達しない場合があります.
耐力が十分な場合,終盤開始と同時にラストスパートを開始するため,これを最速スパートと呼びます.
ステータスについて
スピード
スピードはラストスパート時の最高速度を決める数値であり,特に終盤の長い長距離で重要なステータスになります.
対人戦であるCMのグレードリーグでは,基本的に1100以上を目指す必要があります.
スタミナ
スタミナは耐力の総量を決める数値であり,特に長距離では求められる耐力が多いため重要なステータスになります.
CMではポジション争いが激しくなることで消費する耐力も増加すること,また最速スパートが非常に重要になることから,距離に応じてある程度は確保する必要のあるステータスです.
しかし,回復スキルで補えること,余った耐力は特に勝敗に影響しないことから,他のステータスの方が優先されることが多いです.
パワー
パワーはラストスパート時の加速力やポジション争い時の動きやすさ,そして上り坂での最高速度に影響する数値であり,特に短距離やダートで重要なステータスになります.
CMではポジション争いが激しくなること,ラストスパート時に最高速度に到達する早さが重要になることから,できるだけ盛りたいステータスです.
しかし,ラストスパート時の加速についてはある程度スキルで補えるため,逃げや先行のような脚質では賢さの方が優先されることも多いです.
根性
根性は終盤の耐力消費の激しさを軽減するステータスで,特に終盤の長い長距離で重要なステータスとなります.
ただし,スタミナの方が同じ値だけ増やした時の効果が大きいことなどから,主に350前後,長距離でも450前後あればよいとされています.
賢さ
賢さはスキルの発動率やポジション争いの動きの決定,そして下り坂での耐力消費に影響する数値であり,特にスキルが勝敗を分ける短距離で重要なステータスになります.
CMではスキルの不発が命取りになることや,積極的にポジション争いをしてもらう必要があるため,できるだけ盛りたいステータスです.
一方,序盤・中盤でのポジション争いの影響が薄い差しや追込ではパワーの方が優先される場合がありますが,それでもスキル発動率のために400以上は盛ります.
まとめ
ステータスについて纏めると,
- スピードはカンスト近く盛ることが必須
- パワー・賢さはできるだけ多く盛りたい
- スタミナと根性は距離に応じて最低限あればよい
ということになります.
スキルについて
はじめに,スタート直後に回復スキルが発動した場合を考えてみましょう.
このとき,ウマ娘は耐力をほとんど消費していないため,その回復スキルの発動はほぼ意味を成しません*3.
つまり,レース中のスキルの発動には,意味を成すものと成さないものがあるため,意味を成す発動を特に有効発動と呼びます.
終盤加速
レースで勝つために最も重要なことは,他のウマ娘よりも速く走ることです.
そのためには,速度上限が大幅に上がる終盤の入り口でより強く加速することが有効になります.
従って,「乗り換え上手」や「アングリング×スキーミング」のような終盤に発動できる加速スキルは非常に重要になります.
特に「アングリング×スキーミング」は多くのGIレースで終盤開始がコーナーであることから最速スパートに合わせて発動ができ,セイウンスカイ実装以降ほとんどのCMで猛威を振るっています.
このようなスキルを最速発動の加速スキルといい,他には同じコーナー条件を持つ「レッツ・アナボリック!」や,直線条件を持つ「迫る影」などが当てはまる場合があります(コラム2).
また,「乗り換え上手」や「豪脚」のように,終盤で発動することは確定しているものの,発動位置がランダムなものもあります.
これらを終盤ランダム発動の加速スキルといい,通常は最速発動と合わせて積むことで安定感と爆発力を両立させます.
他にも,差しや追込に付ける「紅炎ギア/LP1211-M」のように,ウマ娘自体の立ち回りとの噛み合いによって終盤で発動させることを狙う例もあります.
より不安定な加速スキルとして,「一陣の風」のような終盤条件すら付いていない加速スキルを採用する場合もあります.
これらは有効発動率がかなり低いため,他に取るスキルもないカプリコーン杯のような条件でなければ基本的に採用しません.
最後に,ゲーム内では分かり辛い加速スキルとして,「プランチャ☆ガナドール」や「ブリリアント・レッドエース」のような速度スキルとの複合スキルもあります.
これらは継承スキルにするとかなり効果が落ちるため,スキルを所持している本人が使用される場合が多いです(例:ダスカロケット).
速度スキル
速度スキルは速度の上限を上げるスキルです.
従って,最高速度に到達していないラストスパートの加速中や,そもそも加速できないバ群に飲まれた状態では有効発動になりません.
また,序盤で発動した場合,効果時間中はポジションキープを無視して位置を上げる動きになります.
そのため,逃げはより良い確率で速度を上げるために使用できますが,他の脚質は位置を上げ過ぎることでポジションキープによる減速(逆噴射)を引き起こす可能性が高くなります.
そして,上述したようにレース中盤の2/3以降では位置を上げるために必須のスキルとなります.
そのため,丁度レース中盤の2/3の位置で発動させることのできる「グッときて♪Chu」は他のウマ娘が速度を上げないタイミングで自分だけが速度を上げることができる強力なスキルとなります.
これが逃げの最強バとして水着マルゼンスキーが君臨している理由です.
速度スキルの選択における大切な点として,得られる効果とスキルptの比が挙げられます.
「弧線のプロフェッサー」のような金スキルは効果量が大きく強いように見えますが,実際は効果時間や必要なスキルptの影響で「逃げコーナー◎」のような脚質or距離のコーナーor直線の方が強いと言われています.
また,終盤で発動する速度スキルの中には,超長距離レースにおける「勝利の鼓動」や,ゴール直前で発動する「末脚」のように効果時間内にゴールする(つまり効果が活かしきれない)ものがあることにも注意する必要があります.
終盤接続
上述した通り,終盤加速スキルが重要なのはラストスパート時に大幅に上昇する最高速度に早く到達する必要があるからです.
では,その幅を縮めることができればより早く最高速度に到達できるのではないか?という考えによって編み出されたテクニックが終盤接続です.
終盤接続は,中盤の終わり際に速度スキルを発動し,通常よりも高い速度で終盤に突入することで最高速度の上昇幅を縮めるテクニックです.
その効果は半端な加速スキルよりも高く,「スピードスター」や「貴顕の使命を果たすべく」のようなスキルを用いれば比較的高い確率で狙うことができます.
また,加速スキルとは異なり,早く発動しても無駄にはならないことがメリットの1つになります.
地固め・緑スキル
逃げのスキルは「アングリング×スキーミング」の他にも先頭でのみ発動するものが多くあります.
従って,レース開始時から常に先頭をキープすることができれば使用できるスキルも増え,位置としても有利を取ることができます.
そのため,「集中力」や「コンセントレーション」のようなスキルでスタートダッシュを成功させることが重要になります.
しかし,運営も気付いていなかった最強のスタート用スキルが存在していました.
それが「地固め」というスキルです.
このスキルはレース序盤にスキルを3個発動すると発動する加速スキルですが,条件さえ満たせばスタート直後に確定発動する緑スキルと組み合わせることで,「コンセントレーション」とは比較にならないロケットスタートを安定して行うことができます.
その加速力はすさまじく,ブロックさえされなければ出遅れを物ともせずに先頭を奪うことができます.
その有用性はキャンサー杯の頃に話題となり,レオ杯の頃には因子厳選が済んだ人も増えたこともあって逃げの最低条件となりました.
また,現在では運営も「地固め」が差しや追込ではなく逃げに合うスキルと認識しており,バレンタインブルボンやサクラチヨノオーの育成に登場する強いマルゼンスキーのような逃げウマに搭載されています.
回復スキル
回復スキルは耐力を回復するスキルです.
レース中に耐力の足りなくなったウマ娘は耐力を温存するために積極的なポジション争いを行わなくなったり,ゴール前に耐力が切れないようにラストスパートのタイミングを遅らせたりします.
そのため,マイルより距離の長いレースでは一般的に回復スキルを積むことで耐力が切れないように対策します.
上述の役割から分かるように,回復スキルに求められるのは有効発動にするための安定性です.
ウマ娘がラストスパートの開始位置を決定するのは終盤開始時であるため,「リラックス」のように基本的に終盤で発動する回復スキルは無駄になります.
また,「好転一息」のようなスキルは最終直線の他にもスタート直後に発動することで無駄になる場合もあります.
もちろん,「鋼の意志」のようにそもそも発動しないスキルはほとんど価値がありません.
従って,通常採用されるのは「円弧のマエストロ」のようにほとんどのレースで有効になるものや,「レースプランナー」といった中盤条件の付いたスキルになります.
デバフスキル
デバフスキルは耐力や最高速度を削るものや,視野を狭めるものなどがあります.
CMでは主に
- スタミナデバフを積んで最速スパートを防ぐ
- 速度デバフを積んでエースを補助する
といった形で用いられています.
1つ1つの効果は小さいため,余ったスキルptで積む程度では効果が薄いことには注意が必要です.
因子について
ウマ娘の育成をする際は,育成に用いる継承ウマ娘の持つ因子が重要になります.
特に,CM用のウマ娘の継承元を育てる際には,
を考えて育成することが必要です.
従って,各ウマ娘ごとに継承元を育てる場合も珍しくありません*4.
青因子
青因子は対応するステータスを上げてくれる因子です.
どのステータスが選ばれるかはランダムであり,星3因子は対応するステータスが600以上で出現するようになり,1100以上で出現確率が上がります.
CMでは足りなくなりがちなパワー因子や,距離が長い際はスタミナ因子が必要になる場合が多いです.
スピードと賢さは練習で上げることが多いため需要は低く,根性はアオハルシナリオの登場によって無視していても必要量が稼げるようになったため,需要がありません.
赤因子
赤因子は対応する適性を上げてくれる因子です.
育成終了時にA以上の適性の中からランダムで選ばれます.
バ場適性はパワー,距離適性はスピード,脚質適性は賢さに関係していて,Sになるとそれぞれ補正が掛かります.
CMでは距離が短いとバ場因子が,距離が長いと距離適性が求められる場合が多いです.
脚質適性はそれらに比べて優先度が低いですが,CMでは魔改造を求められる場合も多い(例:逃げエルコンドルパサー)ため,普段から揃えておくと良いかもしれません.
固有スキル因子
固有スキル因子は星3以上のウマ娘が持つ固有スキルを継承できる因子です.
特に,継承ウマ娘として選んだウマ娘の固有スキル因子は育成開始時に必ず発動するため,基本的に欲しい固有スキルを持つウマ娘を継承ウマ娘として選ぶことになります.
また,継承固有スキルは効果が下がるため,「不沈艦、抜錨ォッ!」のように一部のスキルはかなり効果が弱くなることに注意する必要があります.
一方,「勝利の鼓動」のような『すごい』効果持ちの固有スキルは,継承しても十分使える効果があります.
白因子
白因子は
スキル因子・レース因子・シナリオ因子
の3つに分けられ,それぞれ対応するスキルのヒントやステータスが得られます.
スキル因子は対応するスキルを覚えることで,レース因子は対応するレースに勝利することで,シナリオ因子は対応するシナリオで条件を満たすことで出現します.
これらに共通する特徴として,そのウマ娘の継承元(祖父母の代まで含む)がその因子を所持していればいるほど,自分自身も因子を得られやすくなる,というものがあります.
従って,例えば「地固め」の星3因子を持ったウマ娘を育成したい場合は,その前準備として「地固め」の因子を持った継承ウマ娘を準備しておけば,目的のウマ娘を育成しやすくなります.
脚質別の特徴
逃げ
逃げの特徴は,何と言ってもその能動性にあります.
自ら先頭に立ち,序盤からリードを広げることができるのは逃げだけの強みになります.
一方で,終盤での最高速度は他の脚質よりも遅くなるため,それが響く前にゴールできるだけのリードの確保や加速が必要になります.
実は,逃げが安定して使える加速はほぼ「アングリング×スキーミング」のみであるため,それが有効ではない短距離や超長距離では終盤での遅さが響いてほぼ勝てない脚質になります.
代表的なウマ娘:水着マルゼンスキー,セイウンスカイ
先行
先行は一言でいえば器用貧乏な脚質になります.
逃げよりは高い終盤の最高速度を持ち,差し・追込よりは前の位置で走ることができます.
従って,コースに応じて逃げと差し,どちらかの勝ち筋に近い方を選択することで,それらよりも勝る点を活かして戦うことができます.
ただし,その器用さと引き換えにスタミナ消費が他の脚質よりも多いというデメリットを抱えています.
幸い,先行は回復スキルを豊富に持っているため,それらを取得することでカバーすることが可能です.
また,有効な加速スキルが差しほど多い訳ではないため,レースや脚質分布によっては逃げと差しの単純な劣化になることもあります.
代表的なウマ娘:エルコンドルパサー,オグリキャップ
差し
差しの強みは,その豊富な加速スキルです.
「乗り換え上手」や「豪脚」といった加速スキルを駆使して,逃げや先行よりも高い終盤の最高速度を押し付けていくのが主な勝ち筋になります.
その特性上,育成が比較的容易なのもメリットに挙げられます.
また,「独占力」や「八方にらみ」のような強力なデバフスキルは差しウマが所持していることが多いため,デバフ要員としても採用されることの多い脚質です.
一方,序盤ではポジションキープによって前に出られない都合上,終盤開始後に他のウマ娘にブロックされることも多いです.
さらに,ブロックされなくとも加速スキルの発動位置によって強さが大きく変化するため,全体的に運要素の強い脚質になっています.
代表的なウマ娘:ウオッカ,ナイスネイチャ
追込
追込の脚質としての特徴は,終盤での最高速度が最も高いことです.
その速度を活かせる2400m以上のCMでは,常に有力候補として名前が上がっています.
ただし,その速度の活かし方はウマ娘によって大きく異なります.
まず,ゴールドシップは固有スキルの「不沈艦、抜錨ォッ!」によって,ポジションキープが終わった後に長時間速度を上げることが可能なため,先行と同等の位置まで上がって終盤に突入することが可能です.
その結果,多少加速に劣っていても,逃げ切りを許さずに勝利することが可能となっています.
同様の勝ち筋を持つ追込バとして,覚醒スキルに「尻尾の滝登り」を持つタマモクロスが挙げられます.
次に,覚醒スキルの「迫る影」を使用することで強力な加速ができるナリタタイシンが挙げられます.
この勝ち筋は他に「迫る影」を所持できるウマ娘がいないため,現状ナリタタイシン専用となっています.
加速手段さえ確保してしまえば追込は差しの上位互換と言える存在であるため,一部のCMではナリタタイシンが猛威を振るっていました.
もちろん,デメリットとして位置が後ろであることから生じるブロックの危険性が挙げられます.
また,「迫る影」の話から分かるように加速スキルの乏しい脚質であるため,位置を上げきれないマイルや「迫る影」の活きないレースでは安定した活躍は期待できません.
代表的なウマ娘:ゴールドシップ,ナリタタイシン
チームとしての戦い方
CMは1人のトレーナーが3人のウマ娘を出走させるチーム戦であり,1人が1着を取れれば勝利となります.
従って,個々のウマ娘の強さだけではなく,チームとしての戦略が重要になってきます.
どの勝ち筋を選ぶか
まず,勝ち筋には
- 格下や同格にある程度安定して勝てる勝ち筋
- 格上にも勝てる可能性のある不安定な勝ち筋
の2つがあります.
それゆえ,過去のCMの経験から自分が対戦相手と比べて強いか弱いかを考え,それによって用意する勝ち筋を選ぶ必要があります.
例えば,私は対戦相手の方が強いことが多いので,カプリコーン杯では
の3人でチームを構成しました.
このように1人は安定した勝ち筋を確保することで,格下に負けにくくなるため勝利数を確保しやすくなります.
もちろん,決勝は一発勝負なので不安定な勝ち筋の3人を出走させるのもまた戦略だと思います.
メンバー選択について
勝ち筋を考えたら,次は出走するウマ娘を考えなくてはいけません.
もちろん,前述のナリタタイシンのように替えが効かないウマ娘もいますし,皆さんが出走させたい推しのウマ娘もいると思います.
そのような軸となるウマ娘がいた場合,そのウマ娘が勝てるようにチームを構成することが大切です.
特にいない場合は,安定した勝ち筋の誰かを軸としてください.
私はカプリコーン杯開始前,出走メンバーとしてナリタタイシンではなく
- 固有スキルによって格上と戦える爆発力を持つ先行のカレンチャン
を選んでいました.
しかし,いざ予選を走らせてみると,先行の数が増えることでサクラバクシンオーの固有(3位以上が条件)が発動しにくくなり,チーム全体の勝率がかなり悪くなりました.
そのため,サクラバクシンオーの固有を邪魔しない追込のナリタタイシンを急遽採用した結果,サクラバクシンオーが安定して1位を取れるようになり,無事に予選を突破することができました.
このように,軸となるウマ娘の勝ち筋を邪魔しないことが他のウマ娘には求められます.
次の例に移る前に,その前提となるシステムについて解説します.
馬鹿逃げコンビ理論について
逃げのウマ娘は仕様上先頭に立ったとしても後ろのウマ娘から一定の距離以上は離れられません(離れすぎると速度を上げる判定が出なくなるため).
しかし,常に先頭争いをしてくれるもう1頭の逃げウマがいれば,お互いに競り合うことでいくらでも前に進むことができます.
これに(恐らく)初めて気付いたえあ~さんは,このシステムを馬鹿逃げコンビ理論と呼び,実際にCMでも使用していました.
このシステムによって,逃げは序中盤にリードを稼ぐことができ,そのリードと「アングリング×スキーミング」を組み合わせることで安定して勝ちを拾うことができます.
例2:レオ杯
私は逃げの最有力バである水着マルゼンスキーと,その強さの前提となる「アングリング×スキーミング」を所持しているセイウンスカイを両方所持していたため,
をエースに選びました.
その際,馬鹿逃げの友となるもう1頭の逃げウマを相手が出走させてくれるとは限らないため,
を入れた逃げ2編成を選択しました.
最後に,逃げ2頭によって先行集団が有利なレース展開になることが予想されるため,
を3人目に選びました.
その結果,戦略通り差しや追込にはほとんど負けずに済みました(同じチームコンセプトの格上には負ける).
このように,他のメンバーを適切に選ぶことでエースの勝利をサポートすることもできます.
そのようなサポートに特化したウマ娘として,ナイスネイチャに代表されるデバフ係があります.
しかし,自身がデバフ係を2人出走させるか,相手もデバフ係を出走さえていない限り効果が薄いことや,勝ち筋が減る分出遅れやブロックが致命傷になることから,個人的にはあまりお勧めしていません.
例3:キャンサー杯
キャンサー杯は「地固め」の有用性が広く知られてから最初のCMであるため,因子厳選が間に合わないトレーナーが多く,実際に使用されていたのは固有が速度と加速の複合スキルであるエルコンドルパサーでした.
そのため,私も
をエースに選びました.
残りの2人を選ぶ際に,仮想敵として
- 「地固め」と「アングリング×スキーミング」を積んだ逃げ
- 「乗り換え上手」や「豪脚」で運ゲーを仕掛けてくる差し
を想定しました.
その結果,
- 馬鹿逃げを発動させない
- 「豪脚」の順位条件を満たす相手のウマ娘を減らす
ことを目的として,
の2人を選ぶことにしました.
その結果,追込2人の勝率は芳しくなかったものの,エルコンドルパサーが差しに差されることが少なく,安定して活躍することができました.
このように,相手の勝ち筋を減らすこともまたメンバー選択の重要な点の1つです.
他の例としては,速度スキルを大量に積み,パワーと賢さをカンストまで上げることで先頭を取り,相手の逃げウマの勝ち筋を無くすラビットがあります*5.
ただし,セイウンスカイを所持している場合はほぼ同じ労力で強力な逃げウマが育てられるためか,あまり数はいませんでした.
最後に
実は,この記事は半年前のレオ杯勝利後に途中まで書いていた記事を,カプリコーン杯後に改めて書き直したものになります.
カプリコーン杯の決勝配信をした際に,「CMの攻略記事があるなら読みたい!」と言ってくれた方のお陰で書き直す気力が湧き,より良い記事に仕上がったと感じています.
他にも,配信に来てくださった方や,Twitterで応援してくれた方などのお陰で記事を完成させることができました.
この場を借りてお礼申し上げます.
この記事が皆様の愛バを勝利に導く一助となれば幸いです.
おまけ
以下,私が気軽に書くために常体とします.
コラム1:幸運な先行バについて
ポジションキープの仕様上,逃げが1人でもいる限り先行・差し・追込は先頭を維持することはできない(先頭に立っても自ら減速するため).
それでは,逃げがいなかった場合はどうだろうか?
答えは「残っている中で最も前の脚質の内,スタートで一番前に出れたものが先頭の役割を担う」である.
従って,逃げがおらず先行が1人でもいた場合,その先行は通常時の逃げの先頭と同じように走り,残りのウマ娘はポジションキープによって先頭から自然と距離を取る.
その結果,逃げよりも速い終盤速度であるにも拘らず,逃げと同様のリードが確保できる先行バが誕生するため,そのウマ娘を幸運な先行バと呼ぶことがある.
脚質補正の影響が響く長距離では逃げの人気がないため,幸運な先行バになることを狙って先行バに地固めを積むトレーナーもいたほどである.
また,強力な逃げを出走させられないトレーナーの先行バ対策として,芝の長距離レースに逃げのハルウララを出走させるという案も出た.
逃げを出走させることで幸運な先行バを防げるのは明らかなので,そうでない先行バの活躍を防ぐ仕組みを解説しよう.
まず,ハルウララは芝のレースで先頭を維持する能力がないため,他の(逃げでない)ウマ娘が先頭を取る.
しかし,ポジションキープが働く区間内ではその効果によって後退することを繰り返すため,最終的にウララ以外のすべてのウマ娘が団子状態になる.
その結果,終盤速度の速い差し・追込が有利なレース展開を作ることができるという仕組みである.
しかし,この案は
- 相手が逃げを1人でも出走させていると出走枠が1つ無駄になること
- 中盤で位置を上げることができるゴールドシップのようなウマ娘であれば,ピーキーな策に頼らずとも幸運な先行バにも対抗できること
- ウララが可哀想であること
から実際に用いられることはほとんどなかった(私は1回だけ遭遇した).
コラム2:なぜアナボは覇権が取れなかったのか
実は,初めてのCMであるタウラス杯において,最速発動の加速スキルである「レッツ・アナボリック!」はあまり注目されていなかった.
勿論,まだルームマッチなどが未実装でレースについて研究が進んでいなかった面もあるが,それでも『差しに「紅炎ギア/LP1211-M」を積むと強い!』といった動画は存在していたため,それが全ての原因ではないだろう.
最大の原因は,その発動条件の難しさにあると考えられる.
「レッツ・アナボリック!」をCMのように9人立てのレースで最速発動するためには,終盤開始時にちょうど6位になっている必要がある.
これだけ見ると1位という条件のある「アングリング×スキーミング」と変わらないように見える.
しかし,1位は地固めや速度スキルによって能動的に目指せる順位であるのに対し,6位は脚質分布によって動きを変えなければ目指せない,つまり運の大きく絡む順位であることが致命的なのである.
従って,タウラス杯において最速発動はしないものの,より発動条件の緩い「紅炎ギア/LP1211-M」(5位以上で発動)が注目を浴びたのも仕方のないことだろう.
また,「アングリング×スキーミング」によって加速スキルの重要性が見直された後も,「レッツ・アナボリック!」や「乗り換え上手」のような不安定な加速スキルに頼る必要のある差しや追込は『パチンコ』と呼ばれていた.